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9,ソクラテスのように考え、対話する

  • 2 日前
  • 読了時間: 3分

 前回も皆さまから貴重な資料を頂戴しました。まずご紹介したいのは八木雄二著『1人称単数の哲学-ソクラテスのように考える』(春秋社)です。「どうすればよく哲学できるのか。…正しく哲学するためには、『ソクラテスに倣う』にしくはないのである」と「

まえがき」に書いている著者は、プラトンの『ソクラテスの弁明』におけるソクラテス自身の言葉「吟味のない生活は、人間のためとなる生活ではない」と述べていることをとらえ、「牛の歩みで日々の対話が必要だ」と結論づけています(同書「1ソクラテスのように考える」(p.172)

 

 ヤスパースの『戦争の罪を問う』(橋本文夫訳、平凡社)も紹介されました。そこでも「1 語り合うということ」のなかで、「われわれは語り合うということを学びたいものである。つまり、自分の意見を繰り返すばかりでなく、相手方の考えているところを聞きたいものである」「ひとまず相手方を認め、内面的にためしに相手方の立場に立ちたいものである。いやむしろ自分と反対の説を大いに探し求めたいものである」(同書p.19)と、対話の重要性が語られています。

 

 皆さんからの紹介本を読んでいるうちに、『世界の一流は“雑談”で何を話しているのか』ピョートル・フェリクス・グジバチ著、株式会社クスメディア・パブリッシング)なる本を見つけました。著者は、ポーランド生まれ、23年前に千葉大の研究員として来日し、グーグルなどで組織改革やリーダーシップマネジメントを担当してきた経営コンサルタントです。

 そこでグーグル流の「雑談」の正体が次のように語られています。

 

 世界のビジネスシーンで、一流のビジネスマンが交わしているのは、日本的な雑談ではなく「dialogue」に近いものだと思います。

 ダイアログとは、「対話」という意味ですが、単なる情報のやりとりだけでなく、話す側と聞く側がお互いに理解を深めながら、行動や意識を変化させるような創造的なコミュニケーション…を目指した会話です(同書pp.6-7)。

 

 大事なポイントは、相手に「興味を持つ」ということです。

雑談と言うと「こちらが何を話すか?」ばかりに重点を置きがちですが、「相手の話を興味をもって聞く」ことも同じくらいに重要です。

相手の話を興味をもって聞くためには、どうすればいいのか?

その話は、意外に簡単です。

自分が興味のあることを、相手に質問すればいいのです。


 …誰にでも当てはまるような「普遍的な問い」を日頃から準備しておくことも大切です。…「普遍的な問い」というのは、人に意外な効果をもたらします。「あなたにとって、人生の意味とは何ですか?」というような哲学的な質問は、普段の生活ではあまりお目にかからないタイプのものですから、後になっていろいろと考えるきっかけになります」(同pp.194-196)


 さて、「人生の意味とは何か」と問われたら、皆さんはどう答えますか?

 
 
 

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