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7,死ぬということは、モーツァルトを聴けなくなるということだ

 さても皆さま、前回は座談なる形のおしゃべりリクエストで、一味違った「おしゃべりの場」が開かれたこと、誠に感激の至りです。「タイムトラベルのチケットをもらったとしたら、どの時代で誰に会いたいですか」「そこでビジネスをして大儲けをしようと思ったら、何を持っていきますか」といった座談のための洒落た問いかけに、皆さまの熱湯ホルモンが刺激されたようで、話は尽きることなく続きました。


 NHKの番組「べらぼう」の江戸時代にタイムスリップして、印刷機を持ち込んで、歌麿らの浮世絵をたくさん印刷したらどうだろう」「でも、当時の紙は和紙でしょう。紙の補給が間に合うかしら」「1946年に病死したシュールレアリスムの画家、靉光(あいみつ)に会いたいなあ。彼の代表作『眼のある風景』はぼくのバイブルだ」「今の時代は、一言で人々の気持ちを動かすワンフレーズ・ポリティックスが蔓延していると思う」「団塊世代の私は女子高に進んだ最初の日、校長先生から、君たちはこれから相手探しにずっと苦労するよ、と言われたことを鮮烈に覚えている」…


 さて本日は、柳澤桂子さんが引用している「死ぬということは」で始まる大木実の詩(『大木実詩集』思潮社、pp.117-118、テキストp.91)を取り上げたいと思います。

 

死ぬということは、モーツァルトを聴けなくなるということだ

アインシュタインがそう言ったそうだ

その本を僕は読んでいないので

言いかたが違っているかもしれない

 

いきているということは

モーツァルトを聴けるということだ

 

何を聴こうかと選ぶに迷い

今夜もひととき一人聴く

 

この深いよろこび

この大きなしあわせ

生きているあいだ 生きているかぎり

 

 アインシュタインは、相対性理論の物理学者ではなく、彼の従弟の音楽学者です。本日も、音楽をテーマとする座談にしたいと思います。皆さんの好きな音楽や音楽家について、自由に語ってください。私はモーツァルトの追っかけで、彼の足跡をたどって、生まれ故郷のザルツブルクから活躍の場ウイーン、父親に連れられて演奏旅行で回ったイタリアの各地、などなど、各地を追跡取材しました。皆さんは、誰の追っかけ、ですか?

 
 
 

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