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6,座談:「にんげん」だもの

 前回も多彩なお言葉を頂戴しました。プラハの春が粉砕されてから20年後の1989年、チェコの人々が再び立ち上がり、社会主義体制を倒すことになった「ビロード革命」が起こりました。ビートルズの「ヘイ・ジュード」に抵抗の歌を重ねたマルタ・クビショヴァ(Marta Kubišová)のこと、【チェコ語】マルタのヘイ・ジュード (Hej, Jude) (日本語字幕)、そして平安時代の僧・源信の白骨観も紹介されました。


 今回は生物学者・柳澤桂子の著書『すべての命が愛おしい』(PHP研究所)で紹介されている詩人・長田弘の詩(テキストp.55)から入りましょう。


星があった。光があった。

空があり、深い闇があった。

終わりなきものがあった。…

人間とは何だろうかという問いとともに。

沈黙があった。

宇宙のすみっこに。


 柳澤は、生命科学者でエッセイスト。引用した長田弘の詩は、宇宙のなかの人間がテーマで、この詩を引用しながらビッグバンで始まった宇宙から人間が地球に誕生するまでの歴史について、子供たちに聞かせていきます。


 イギリスの作曲家ホルストは、水星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星に、曲を1曲ずつ割り当てた組曲「惑星」を作曲しました。第1曲「火星、戦争をもたらす者」、第2曲「金星、平和をもたらす者」、第3曲「水星、翼のある使者」、第4曲「木星、快楽をもたらす者」、第5曲「土星、老いをもたらす者」、第6曲「天王星、魔術師」、第7曲「海王星、神秘主義者」と命名されています。


 「この組曲に対するなんらかの手がかりが必要だとすれば、それぞれの副題で充分でしょう。たとえば木星は一般的な意味において喜びをもたらすと同時に、宗教的、国民的なお祭りと関連のある式典的な喜びを。また 土星は、肉体的な衰頽をもたらすだけでなく、すべてを全うした成就のヴィジョンも含まれています。水星は、心の象徴であるというように……。最近ひとつひとつの惑星の性格が、私に多くのことを感じさせるようになりましたので、占星学をかなりみっちりと研究してきました。この世の中のすべては一個の大きな奇跡です。いや、むしろ宇宙そのものがひとつの奇跡なのです」


 宇宙が「奇跡」ならば、人間の誕生はもっと大きな奇跡かもしれませんね。


 第6曲「天王星、魔術師」を聴きましょうか。人類の誕生は、あたかも宇宙に魔術師がいるかのようなので。G.ホルスト / 組曲『惑星』より「天王星」 


 前回のランチの席上で、「座談」の提案がありました。朝日新聞の「折々のことば」(10.29)に「会話は文章と違って、ずれたり飛躍したりする」とあることも紹介されました。詩人・相田みつをの「にんげんだもの」(文化出版局、pp.9-11)も参考に、「人間とは何か」をテーマとした座談に入らせていただきます。おおいに「ずれたり」「飛躍したり」してくださいね。

 
 
 

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