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3,哲学とかけて料理と解く、その心は?

 「2000年のシドニーオリンピックのとき、会場スタジアムの前でゲイたちによる集会があり、彼らの後をついていったら、彼ら専用の居住空間があり、すっきりとしたいい場所だったのを覚えています」「日本でも最近は、地方自治体によって同性婚を受け付けるところが出ていますね」「織田信長と森蘭丸の例のように、男色思考は昔からあり、川端康成の自伝的短編小説『少年』には、本人の体験とおぼしき同性愛が書かれています」


 ちなみに、新潮社のHP『少年』 川端康成 | 新潮社には「お前の指を、腕を、舌を、愛着した。僕はお前に恋していた――。相手は旧制中学の美しい後輩、清野少年。寄宿舎での特別な関係と青春の懊悩を、五十歳の川端は追想し書き進めていく。互いにゆるしあった胸や唇、震えるような時間、唐突に訪れた京都嵯峨の別れ。自分の心を「畸形」と思っていた著者がかけがえのない日々を綴り、人生の愛惜と寂寞が滲む。川端文学の原点に触れる知られざる名編」と紹介されていますね。


 さて本日は、音楽ジャーナリスト石戸谷結子の著作『おしゃべりオペラ』(新書館)にある次の表現をテーマと致しましょう。「オペラを観たあと、友人たちとオペラについての気楽なおしゃべりをするのは楽しい。おしゃべりは、いわゆる連想ゲームのようなもので、花から花へと連想が飛ぶ。…思いつくまま、テーマを決めずに話し出す癖があり、予想もしなかった結論に行き着いてしまったりしまったり、一つの作品がテーマによって何度も語られたりするのは、『おしゃべり』に免じてお許しいただきたい」(テキストpp.44-45、同書p.327「あとがき」)


 この表現をとらえて、私は「おしゃべりの効用」について

①       蝶が花から花へと飛んで回るような「連想ゲーム性」を持つ②「思いつくまま」の自由性を持つ③予想もしない結論に行き着くーと書いています。付け加えれば、とんでもないところに行く「脱線」も魅力的ですね。


 テキスト「しゃべり場の思想」では、「おしゃべりは、わたしたちの精神を抑圧から解放し、自分の感じていること、思っていること、あるいはときに、潜在意識下に眠っていることまでも外に出してくれる」(p.46)と、おしゃべりそのものにソクラテス的産婆術効果のあることを述べていますが、実は、哲学はいかもの食い。石戸谷の「オペラについての気楽なおしゃべりは楽しい」よりも「哲学についての気楽なおしゃべりは」もっと楽しく、何でも“食べて”消化してしまいます。

 おしゃべりっこのキッチンメモ」なる副題のついたイタリア料理のレシピ本『イタリア マンマ修業っ!』(仲村・Poli・友佳里著、里文出版)があります。「おしゃべりっこ」は、著者の夫が生まれ育ったイタリア・ヴェネト州ヴィチェンツァ郊外の田舎町方言Ciacolona(チャコローナ)の訳で、著者によると、「近所に住むおばさんやおばあさんたちとおしゃべりしながら、生活の知恵や料理のことを教えてもらったりの日ごろの何気ない町の人たちとの会話」(同書p.7)からついた著者の「あだ名」です。

哲学とかけて料理と解く、その心は「奥が深い!」。

 さて、皆さんは何と解く?

 
 
 

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